スー繝�ー弾ガん繝ュ繝ウパⅡDa1 Dream St0rys
第21章 chapter3 ③ 失敗と失亡
―――君は監視員だ。だから万が一に備えるための特権を与えよう
―――特権、ですか?。
―――この前説明した「リスタート」とはまた別の特権だ。あれは最後の手段だからな
―――今日はどういうものですか?。
―――プログラムをほんの少し書き換える力だ。まぁ、本当に些細なことだけで本質的なことは何も変えられないがね
―――いえ、ちょっとでも役に立つのならありがたいことです。
―――でもその代わり、その力は本当に必要な時だけに使ってくれ。私利私欲で使ってしまったら、たとえプログラムの世界と言えど大変なことになってしまう………
『………。』
夜の病室で1人、そんな会話を思い出していた。
特権かぁ……。印象薄くて今まで忘れてたな。
「些細なこと」が一体どこまでを指すのかは分からないけど、やってみよう。
確か特権の使い方は………。
―――特権の使い方は、全て君次第だよ
―――私次第……とは?。
―――なぁに、心配などしなくていいよ。ただ想像するんだ。君がしたいように、「こうであれば」と強くイメージして、それを唱えるだけだ
―――イメージ……。
―――勿論、「特権を使うぞ」という君自身の明確な意思を持ってやらなければその想像はただの願望にしかならないから気を付けろよ
………とか言ってたかな、確か。
よし、特権を使おう。みんなを救う為に。
こんな理由なら、きっとあの先輩も怒ったりしないはず。
『……身体中の痛みよ、今すぐ消えろー!。』
………。
試しに、床に下りてみた。
『……痛っ。………全然効いてないじゃん。』
イメージが足りないのかな……?。
『い……痛いの痛いの……飛んでいけっ!!。』
ダメだ。分かりやすくて良いかもとか思ったけど、年甲斐もなくこんな子供じみたこと……誰かに見られたら完全に私はイタイ奴だ。痛いのは体だけでいいよ畜生。
そう思って脱力した。
背を倒してベッドに沈み込むはずが、幅を考えてなくて頭を窓枠にぶつけてしまった。
『(―――――ッあ!)。』
血の気が引いた。
ヤバイ。頭はヤバイ。
だって頭には………。
『………あれ?。』
……痛くない?。
思わず立ち上がる。
足も痛くない。
急いで頭の包帯を解いて、傷が出来ていたであろう箇所を触ってみる。
ウソでしょ………?。
もはや傷すら残ってないなんて。
じゃあ、さっきのが効いたってこと?。