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第21章 chapter3 ③ 失敗と失亡


〈キーン、コーン……カーン、コーン〉
ふいに、モノクマアナウンスが流れる。
〈えーと、希望ヶ峰学園修学旅行実行委員会がお知らせします……ただいま午後10時になりました。波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね。ではでは、いい夢を。グッナイ……〉
もう夜時間になったらしい。
廊下に誰かの気配を感じる。
おそらく唯吹ちゃんと罪木さん。
早いな、まだ夜時間が始まってすぐだって言うのに……。
『……とにかく、行かなきゃ………!。』
私はなるべく静かに病室を飛び出した。
廊下は静まりかえっていて、誰もいない。
……と思ったら、ロビーの方から音がした。
あれは玄関口の開く音だ。
急いでロビーへの扉を開ける。
でも、もうそこには誰の姿も捉えられなかった。
今の音の原因は絶対に罪木さんと唯吹ちゃんだ。
それなら2人はきっとライブハウスへ向かったはず。
私も2人を追ってライブハウスを目指した。
走っていくと、暗いながらもうっすらとライブハウスのネオンの下に2人分の人影を確認できた。
丁度入っていくところだ。
急がなきゃ。
『罪木さん、唯吹ちゃん………!。』
なりふり構ってられず、何の策もなしにライブハウスの扉を勢いよく開ける。
「こんばんは、希灯誉稀さん! 私は澪田唯吹です!」
入るなり、敬礼姿の唯吹ちゃんがご丁寧に挨拶してくれた。
………あれ?。
罪木さんの姿がない……?!。
『と、とにかく逃げて!。唯吹ちゃん!。』
そうやって叫ぶが早いか、背後に気配を感じた。
「逃げるんですね! 分かりました!」
唯吹ちゃんは走り出す。
でも、ライブハウスの中をひたすら走り回るだけだった。
「逃げております! 出口はありませんので、私は出来る限りの範囲内で逃げております!」
言いながら走り続ける唯吹ちゃんを尻目に、さっきから感じている覆い被さるような程の気配に振り向いた。
ギギギ……という不気味な音を立てて扉は閉められる。
「うぷぷぷぷ……誰も、だぁれも逃がしませんからねぇ………!」
超高校級の保健委員……もとい、「超高校級の絶望」である罪木蜜柑によって。



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