第22章 【R18】黒尾鉄朗 〜fault〜
「綾瀬、すげぇかわいいぜ。」
ギシッとベッドのスプリングを軋ませて、クロが私を見下ろすように、覆いかぶさる。
頭の上で彼の臙脂のストライプ柄のネクタイで縛り上げられた両手首は、昨日の行為で出来たその擦り傷に擦れてじんじんと痛みが走った。
全裸にされて縛られ、転がされた私と、私を視姦する彼の構図は誰がどう見ても、恋人同士ではなく、主人とその奴隷のようで、側から見たら、まさに今の私たちの関係は、限りなくそれに近かいのだと思う。
私の頬を撫でて、顔を近づけたクロはその冷たく謎めいた視線とは裏腹に、甘ったるいキスを私に落とす。
ちゅ、、、ちゅ、、、くちゅ、、、
、、ん、、っ、、ちゅ、、、、、、
「俺の事好き?」
『んっ、、ぁ、、すき、、、だよ、、、』
ちゅ、、くちゅ、くちゅ、、、、
っ、、、、ちゅ、、、、くちゅ、、
「こうやって縛られても?」
『、、、ん、、、。』
グッと手首を結んだネクタイを引っ張られ、その痛みに私は顔を歪めた。
手首の内側から、二の腕、脇、首筋、鎖骨まで彼の指でなぞられ、最後に乳首を弾かれる。そのせいで、焦らされて火照った私の身体は、ビクリと反応し、快感に震えた。
『ひゃぁんっ!、、ぁ、、クロぉ、、、!』
クロは悶える私を見下ろして、両方の胸の先端をギュッと強く摘み引っ張る。
何度も何度も痛いくらいに刺激され、痛みが快感に変わり始めた頃には、私の乳首は腫れ上がり、ヒリヒリと熱を持ち勃ったままになった。
私は苦痛に顔を歪めながらも、逃げずに彼の行為を受け止めるしか出来ない。
「あぁ、、、スゲェ、、、腫れてる。綾瀬、、好きだ、、、、、俺以外に、こんな姿見せたら、ダメだから、、、な?」
そう。
私は、脆くて、寂しがりやで、自尊心が少ないせいでこんな形でしか私を愛せなくなってしまった彼をどうしたって、突き放す事が出来なかった。
痛くても、辛くても、あなたを包んであげたい。
彼と同様に、私もきっと何処かで何か間違えて、おかしくなってしまったんだと思う。