第26章 【BL】【R18】6/21 日向翔陽HB 〜orange②〜
::::: 山口(回想):::::
山「ツッキー、ちょっとやりすぎじゃ」
月「うるさい。」
ツッキーは、あの日日向に僕らの事を見られた後みたいに、イライラしたその目の奥に少し切なさが滲んでいて、ただ影山を弄りたくて煽っただけじゃないというのはなんとなくわかった。
日「お前、影山怒らせて楽しむのいい加減やめろよ!どーすんだよ、アレ。先に帰っちまったしよー。」
月「楽しくないケド。そういえば日向、この前の部室の事なんとも思ってないの?」
もー、、、ツッキーは頭いいのにすぐそうやって気まずくなるような事聞くんだから、、、。
日「び、びっくりしたケド、、、、、でも、、、お前たち、、、なんてゆーか、付き合ってんだろ、、、?」
月「まぁ、そうなるかな。」
日「だったら、別に、いいんじゃねーの!」
月「へー。意外に物分かりいいんだね。」
ツッキーとは小学校からずっと一緒だったけど、俺はずっとツッキーの背中を追いかけてきた。俺よりも背が高くて、バレーのセンスがあって、どんなやつにも怯まない。そんなツッキーは最高に格好よくって俺のヒーローだった。
烏野バレー部に入って、日向と影山に出会って、才能溢れる三人に俺はいつも置いてきぼりな気分で、引け目を感じていたのを憶えてる。
俺だって、みんなと一緒にバレーがしたい。
コートに立ちたい。
ツッキーと肩を並べたい。
そんな思いで必死に練習をして、憧れだったツッキーを対等な目線で見られるようになったのは、ジャンプフローターサーブがちゃんと決まるようになった頃だった。いつもクールで冷静だと思っていたツッキーは、実は結構喧嘩っ早かったり、凄くアツい一面があったり、、、。そんな憧れの対象はいつしかちょっとほっとけない存在になり、気付けば友達とは違う特別な感情は自然と心に芽生えていった。
月「日向は影山をどう思ってるのさ。」
日「チームメイトだろ。」
月「特別だと思ったことないんだ。」
日「そりゃあ、特別って言えばそうだけど。」
きっとツッキーは、
影山の行き場のない気持ちをどうにかしてやりたいんだね。
to be continued.......