第21章 【R18】月島蛍 〜two mark〜
「まぁ、練習するんだね。」
『うゔーー、、、。でもね!私、お菓子作りは得意なんだよ!?なんでおかずは作れないんだろう、、、。』
「そんな不味い卵焼き作った後に、良くそんなウソが言えるね?感心するよ。」
『嘘じゃないよ!家族の誕生日の時とかいつも私がケーキ焼いてるんだから!』
「、、、、、、、。」
『蛍くん、そんな疑いの目で見ないでよ。』
「だって、、にわかに信じがたいデショ。」
『わかった。今週の土曜日私の家に来て!ケーキ作るから!』
で、今彼女は僕の目の前でケーキを作っているわけ。
キッチンのカウンターに頬杖をついて、彼女がテキパキと動いているのを観察していると、確かに作り慣れている事が伝わってくる。
「何ケーキになるの?」
『イチゴのケーキだよ!一番スタンダードなやつ。』
「ふぅーん。、、なんかいい匂いしてきた。」
『もうすぐ焼けるから、イチゴ準備してホイップクリームも作らなきゃ!』
しばらくすると、スポンジケーキがふっくらと焼けて、オーブンから取り出すと甘いバターと砂糖と卵の匂いがふんわりと広がる。僕はその香りに誘われて、キッチンに回り込んで焼きたてのケーキの香りを楽しんだ。
『蛍くん、本当にケーキ好きなんだね!』
「、、、、、悪い?」
『悪くないよ。蛍くんが一番好きなもの作れて良かったと思って!』
なにその可愛い発言。
不意を突かれてドキッとするからやめて欲しいんですケド。
綾瀬は僕と違って何でもストレートに喋るから、馬鹿っぽいなーと思う反面、その素直さにドキドキさせられる事もしばしばあった。