第6章 カルマの時間
そして、俺は本屋に寄るため
いつもは渚と一緒の電車だが、今日は赤羽と同じ電車に乗っていた。
すると赤羽が、
カルマ「そういえば光ちゃんってさ、なんで男装してたワケ?」
と、聞いてきた。
あ、そういえば理由は誰にも言ってなかったな。
たいした理由じゃねーけど。
光「まぁ、女子のゴタゴタが嫌でさ。小6の時に女子に人気だった
男子に告白されて、断ったんだよ。そしたら、もー大変!あっという間に
学年全員の女子に目の敵にされたんだよ。
そん時に男子に生まれればなぁって思って、中学で私立入って男装したんだ」
って、なんでこんなに語ったんだろ、俺。
すると赤羽は
カルマ「へぇ、大変だねー女って。確かにそんなことになれば男装するわ。」
と、言ってクスクスと笑っていた。
光「だよな、俺、美形だし?更に大変だったワケよ…」
カルマ「ぶはっ!自分で美形とか言っちゃうんだ。
やっぱおもしろいね、光ちゃん。」
今度は赤羽は大笑いしていた。その表情は自然で、
さっきのホームでの、あの表情とは大違いだった。
なんだ。そんな表情もできるんじゃないか。
光「っつーか、赤羽って、なんであんなに先生を殺したいんだ?
いや、まあ確かにあのタコは殺さなきゃいけねーんだけど…」
カルマ「ハハッ、言ってる事、矛盾してるし!
ああ、やっぱり気に入ったわ光ちゃん。
それと、俺はね、先生って言う生き物を殺したいんだよ。」
そう言った赤羽はまた、さっきと同じ表情になった。
光「ふーん…」
赤羽には何かしらの事情があるのだろう。
だが、俺はこれ以上何も聞く事ができなかった。
赤羽の表情が怖いだけじゃなく、悲しそうに見えたからだ。