第38章 親愛の時間
前原「がはッ!!」
!!!???
鷹岡「"できない"じゃない、"やる"んだよ。
言ったろ?俺達は"家族"で俺は"父親"だ。世の中に...父親の命令を聞かない
家族がどこにいる?」
こいつの言葉に、全身が震えだしたのがわかった。
あぁ...やっぱりコイツも、"アイツ"と同じだ...。
いや、今は思い出しているどころじゃない、前原の安否の方が心配だ。
震える身体を精一杯の力を振り絞り、前原の元へと進めた。
光「大丈夫か?前原...。」
なんとなくだが、声もあまり出なかった。
とりあえず早く...この場から逃げたい...。
磯貝「前原、保健室まで運ぶよ。」
磯貝がそう言うと、前原の腕を肩にかけた。
光「お、俺も手伝うよ。」
そう言って前原のもう片方の腕を肩にかけた。
磯貝「高瀬!?高瀬は女子だし、俺1人で運べるから...」
そう、磯貝が1人で前原を運べる事ぐらいわかってる。
...けど 一刻も早くこの場から...鷹岡から、逃げたかった。
光「いや、前原が心配だし...それに俺、結構手当とか得意だから!」
一応事実だが...口から出た言葉を並べた。
悪いな、前原...利用する形になって。
それでも、俺はアイツが...鷹岡が怖かったんだ。
"あの男"に似ていて...