第2章 二度ある事は三度ある
その頃昇降口にて、緑間は夏美の荷物を持ち、イライラしながら待っていた。
(遅いな、高尾のやつ。一体何をやっているのだよ。)
「いやー悪りい。真ちゃん。待たせちまって」
やっと来たかと思った緑間の目に映った光景はまさに予想外であった。
「おい、高尾。それは目立つし、チャラいと思うのだよ」
「いやこれくらい当然っしょ!女の子怪我させたんだし。って時間やべえ!真ちゃん、ごめん!氷室さんの荷物よろしく!」
「おい、待て高尾!!」
(その子のクラスがわからなかったらどうしようもないのだよ)
夏美を抱えて軽快に走る高尾を緑間は仕方なく追うことにした。