第5章 WC予選
時間短縮の関係やらで今回は引き分けに終わっちって、正直煮え切らないし納得いかねー。次は絶対俺らが勝つからな!覚悟しとけってんだ!特に黒子、お前はな!
俺は、いや俺達は不完全燃焼で残った闘志の行き場に困りながら、整列し誠凛メンバーと顔を合わせる。それは向こうも同じだろう。
ここはルールに則り、潔く結果を認めて、次やる時を楽しみに待ち練習に励んて行くことを約束する。挨拶しおえて俺達はそれぞれ散って、控え室に集合した。
監督や大坪さんが一言言うと最後に夏美ちゃんが閉めを飾る事になり、彼女は途端に目をキリッとさせて真剣な眼差しを向ける。ものすごい美人なだけあって、やっぱ迫力があるしつい魅入ってしまう。
「私から言うことはまず、先程の試合は私が今迄見た中で1番ドキドキして目が釘付けになりました。今回は引き分けということで両チームとも煮え切らない気持ちでいっぱいでしょうが、内容的にどちらも甲乙付け難くて、ベストを絞り切るほど尽くした試合だったと私は思います。」
夏美ちゃんはここで一旦一呼吸置く。
「次に誠凛とやる時はお互い成長して今日よりいいゲームを見せてくれると私は信じています。だけど、まずは最後の泉真館との試合に勝って、ウィンターカップに出場しましょう!今日は本当に皆さんお疲れ様でした!帰ってゆっくり休んで下さい!」
夏美ちゃん、大人しそうに見えて実は結構いう時は言うんだよな〜。マジギャップ萌え〜!
今日よりいいゲーム、ね。絶対見せてやりますよっと!
俺はさっきの様子がおかしかった夏美ちゃんの事を一旦忘れるくらい、彼女に惚れ惚れしてしまう。
夏美ちゃんが軽くお辞儀をして大坪さんが解散を命じた後で、俺は夏美ちゃんの元へ行き、肩をぽんと叩く。
「お疲れさん!いやーさっきの夏美ちゃんの言葉、マジで心に染みたよ!しかもビシッとしまっててカッコよかったわ!」