• テキストサイズ

Field Of View〜君を捕まえたい〜

第5章 WC予選


第2クオーターで黒子君は交代したまま、第3クオーターが開始される。


監督に聞いたけどミスディレクションというのは、時間制限というか、かけられた相手は次第に慣れてくるので効果が薄まっていくらしい。


しかもウチには鷹の目を持つ高尾君がいる。コート全体が見える彼は黒子君にとって一番の天敵だろう。

また黒子君はスティールやパス以外は軒並みダメだそうなので、いよいよ黒子君の出番は終わりかと私は思っていた。


第3クオーターはウチの流れになって逆転し、真ちゃんの3Pでどんどん差をつけていった。だけど、終了1分前ぐらいに黒子君がコートに入ってきた。


え!?もうミスディレクションは効かないんじゃないの!?やけくそってことはないよね?


一瞬そう思って目が見開いて驚く。だけど誠凛の監督の相田リコさんは見るからに相当やり手だし、何か作戦があると考え直す。しかもスタメン達はかなり警戒している。


リコさんって一個上なんだよね?あんなに可愛いのにハキハキしてて冷静で、チームを引っ張ってて本当かっこいいなあ。私には到底できないし、すごい憧れちゃう。


今試合中で敵同士だけど、リコさんが私にないものを持っているからいつの間にか溜息が出た。


溜息を滅多につかない私を控えの先輩が心配してくれて、訳を言ったら励ましてくれてとりあえずお礼を言った。リコさんの事をちょっと酷く言ったからそこはムッとしたけど。


そして第3クオーター終了間際、高尾君が大我にスクリーンアウトをかけ、黒子君が真ちゃんとマッチアップになる。その次の瞬間、信じられない事が起こった。


なんと黒子君があの真ちゃんをドライブで抜いた。センターの木吉さんにパスが渡りダンクを決める。


そしてその次は鷹の目を持つ高尾君でさえもドライブで抜き、SGで誠凛キャプテンの日向さんに渡って同点となった。


抜かれた2人は放心状態で口と目が開きっぱなしだ。余程想定外だったのだろう。


それは私も同じだったけど。




/ 205ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp