第4章 相棒とマネージャーの果敢な日々
「何って、別に遊んだ帰りよ。」
真理子はふてくされたように返事する。俺は真理子の服装で誰と遊んだのか目測で判断をした。
派手な化粧やネイルアート、
キャラメルのような茶髪のショートボブ、
肩と鎖骨がしっかり露出され胸の谷間がハッキリわかる白のセーター、
下着が簡単に見えそうな超ミニの黒いスカート、
ニーハイ、ロングブーツという夏美ちゃんとは対照的なギャル全開の格好だった。
多分今の彼氏と遊んだのか合コンか何かだったのだろう。
にしてもすげえ格好だ。夏美ちゃんには敵わないけど、真理子もすっぴんで十分可愛いのに。
真理子は俺と別れて少し経ってからこんな格好や遊びをする様になったのを風の噂で聞いていた。もしかしたら俺のせいかとは薄々感ずいたけど、もう彼女とは終わったことだと自分を言い聞かせずっと見ないフリをしてきた。
気まずいし疲れていたし早くこの場から去りたかったが、真理子はすぐには帰してくれなさそうであった。
「ねえ、和成。今日氷室さんとデートしてたでしょ?るるぽーとで見たのよ、あたし。」
「ああ。だから?」
「この前、女バスで氷室さんの歓迎会してあの子とちょっと話したけど、ずーっとお兄さんと向こうでの生活の話ばかりだった。好きなタイプはお兄ちゃんみたいな人だとも言ってた。」
真理子は企みを抱いている様な顔で話を続ける。多分だけど夏美ちゃんに好意は持ってない。
一体何が目的なのかと思い俺は怪訝そうな表情をする。
「で、今日目撃してあたしびっくりしちゃった。てっきりお兄さん以外興味ないと思ってたから。」
「そんなのはわかってる事だけど。真理子、一体何が言いたい?」
俺は目を鋭くして真理子を睨むが、全く動じない。むしろ、ほくそ笑んでいる。
「ふふ、そんな怖い顔しないでってば。それにわかってるなら尚更よ。あの子、あんたの事利用してんじゃない??」
利用してる?夏美ちゃんが俺を…?