第4章 相棒とマネージャーの果敢な日々
ーSide 高尾ー
俺は夏美ちゃん達が帰ってから、緊張の糸が取れ腰が引けて足が挫ける。
やっべー、夏美ちゃんの兄貴さんヤバすぎだよ。正直マジで殺されるかと思った。宮地さんが可愛く見えるぜ。あんな綺麗なイケメンに言われるとさらに凄みが増してて本当恐かった。
しばらくボーッとしてから、立ち上がり砂をはたく。俺はそのまま自宅へむかった。
にしても、兄貴さんの怒り方あれ尋常じゃねーよ。いくら妹が心配だからってあそこまでゆーか普通??
俺は家に着くまで氷室兄妹と自分の兄妹を比べながら考えていた。
俺ももし妹ちゃんに何かあったらすぐに駆けつけて助ける覚悟はあるけど、干渉は絶対しない。
夏美ちゃん、庇ってくれたけど、今までさっきみたいな干渉されてきたのか?それで揉めたりはしなかったのか?
それともまだ何か秘密があんのか?
だけど、いくら考えてもしょうがない。知っているのは彼等のみだから。
この恋は本当に一筋縄じゃいかねーかもな。
けど、兄貴さんにも宣言したし、ここで引いたら男じゃねー!!
天才の相棒になるのも、天使のような夏美ちゃんの隣にいるのも、それなりでなくちゃだろ?俺は負けず嫌いの性が疼いて仕方がなかった。
だが折角決心が着いたところで誰かに声をかけられ、振り向くと俺は最も気まずい相手に遭遇してしまう。
「あら、和成じゃないの。奇遇ね。」
「…!真理子か。お前こんなとこで何してんだよ?」
そう、こいつは柳 真理子。タメで秀徳女バスのレギュラーで、俺と同中。
そして、中2の時に付き合った元カノだ。