第4章 相棒とマネージャーの果敢な日々
夏美の言った一言がずっと高尾の頭で駆け巡っており、高尾は勢いで告白したことを改めて至極後悔した。
しかし持ち前のポジティブさが発揮され、ある言葉が引っかかる。
(待てよ!まだ無理なの。ってどうゆう事だ!?)
高尾は鬼気迫る感じで夏美に尋ねる。
「ねえ、そのまだ無理なのってどうゆう事!?」
夏美は高尾に聞かれて自分の言った事を思い返し、悶々とした。
(え!まだ無理なのって言ったっけ!?…あ、言ってた!ど、どうしよ。告白されるなんて思ってなかったから口が滑っちゃったけど、まだ気持ちに整理がついてないからどう言えばいーのかわかんないよー!)
「えーと、それは…。」
夏美は目線をずらすのは失礼だと思いながらも、気持ちがはっきりしなくて高尾の目を見ることができない。
(てか、日本男子って付き合う時に本当に告白してくれるんだね。どーしよ、こっぱずかしい!)
現実逃避で呑気にカルチャーショックも受けていた。
なかなか答えてくれない夏美に高尾は選択肢を絞らせて、耳打ちをする。
「…つまり、俺の事嫌いじゃないってこと?」
「ひゃっ!」
耳に吐息がかかって夏美は変な声が出てしまい、耳と顔が真っ赤になる。
(…耳よえーみたいだな。こんな時に色っぺぇ声出すなよ。このまま黙られたら俺何するかわかんねー。)
(高尾君のために早く答えないと…。なんか変な声出しちゃったし!!にしても耳打ちずるいよー。)
沈黙に耐えられない高尾は最後の警告をしに、耳打ちを再度する。
「…嫌いじゃないかどうかだけでも聞きたいんだけど。このまま黙ってたら俺、何するかわかんねーぞ。」
鈍い夏美も流石に高尾が言った最後の言葉の意味がわかった。
また艶のある声を出しそうになったが我慢して、夏美は勇気を振り絞って次の一言を言った。