第4章 相棒とマネージャーの果敢な日々
ーSide 高尾ー
午後の試合も俺達が10点以上のリードをつけて勝った。
相手チームが帰った後、夏美ちゃんはいつものように用具を片し掃除をする。
そして、宮地さんは夏美ちゃんに声を掛けた。
「氷室、俺と高尾と緑間は今日も残ってやってくからボールは俺たちで閉まっとくよ。」
「はい!わかりました!三人とも頑張ってくださいね!」
「ありがとな!じゃあお疲れさん!」
夏美ちゃんが鍵を俺達に渡して、軽くお辞儀をしてから俺達は手を振った。
ここで夏美ちゃんが出たのを確認した後、宮地さんに俺は尋ねる。
「話って何すか?」
「今朝、氷室が倉庫で隠れて泣いてたんだよ。」
宮地さんから言われたことに驚きを隠せない。ちなみにシュート練していた真ちゃんがわざわざやめて驚きの表情を見せた。
「…マジっすか。あの夏美ちゃんが。だって宮地さんにドヤされても泣かなかったのに!」
つい俺は口が滑って、ハッとし口元を抑える。
「おい!最後のは余計だぜ!折角先輩が教えてやったのによ。轢くぞ!」
宮地さんは両手にグーを作って頭をグリグリしてきた。
「ひー!すんません!すんません!」
俺は必死に訴えて宮地さんの怒りが収まるのを待つしかない。何分かたったらやめてくれた。
「あー気が済んだ。あえて俺が訳を聞かなかったのがわかるか?」
そう言われて俺はしばらく頭に?マークを浮かべる。でもわからなかったので宮地さんに答えを尋ねる。
「ち。しょうがねーな。お前にチャンスを与えたの!氷室とお近づきになれる、な。」
ここでやっと俺は理解した。宮地さんがわざわざ気遣ってくれたのを。