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Field Of View〜君を捕まえたい〜

第1章 出会いは突然に


(なるほど、その女子とぶつかって、怪我を負わせたのか)

状況を瞬時に理解し、緑間はバックから取り出してテーピング用のテープを貸した。

「サンキュー!!さっすが、真ちゃん!!」

高尾は夏美の膝をテッシュで押さえてテープを巻きながら、再び目線を夏美に戻すとあることに気づいた。

「なあ、この子の制服、うちのだよな?」

「ああ、そのようだな。うちの校章がついてるしな」


緑間はそう告げると、チャリアカーを起こしてみてまだ使えそうかどうか確かめた。

「真ちゃん、この子荷台に乗せてかね?」

「ああ、それはいいがその子のチャリはどうするのだよ?」

「うーん、じゃあ真ちゃんが漕いでって!」

「な、何!」

「だって、リアカー重いぞ?むしろ、ありがたいと思えよ」

2人が喋ってる間に夏美は頭を抑えて目を開けた。


「…うう、いたた。て、あれ?あたし、自転車にぶつかってそれで?」



彼女が上体を起こし周りをキョロキョロと見渡すと、高尾は彼女へと目線を向け心配をする。


(あれ、この子結構可愛くね?って今はそれどころじゃねー!!)


「気が付いたみたいですね!いきなりだけど君、秀徳の子ですか?」

「あ、はい。そうですけど。あなた達は?」

「実は俺たちも秀徳なんっす。君に怪我させちゃったから送ってこうって話してたんすよ!」

高尾の言葉を聞いて夏美は自分の膝下を見る。


「あれ?手当てしてある!?…もしかして貴方がやってくれたの?」

「ああ、けど止血しただけだから保健室まで連れてきますよ!」

「わざわざ、ありがとうございます」

夏美は高尾に向かって深々とお辞儀をしてお礼を言う。


「おい、高尾!聞いてるのか!」

勝手に話を進める高尾に緑間は声を荒げるが、高尾は構わず夏美の膝に手をかけようとする。


「ちょっとじっとしててもらえます?」

「え?」


勿論、彼女は戸惑いを隠せない。



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