第4章 相棒とマネージャーの果敢な日々
夏美の自己紹介が終わり、部員達がそれぞれ練習をしに散って行く中、宮地は彼女の元へ向かう。
それを見た男子部員達はさっき一喝したくせして自分は抜け駆けするのかと怒りを露わにした。
だが、それは違った。宮地は夏美を見下ろして厳しい顔で睨む。
「おい、氷室とか言ったな。ちょっと可愛いからって調子乗んじゃねーぞ!ウチはマネージャーにも甘くないからな!
言っとくが、大して好きでもないくせに興味本位でやるミーハーな奴はいらねーから。」
そう宮地にはっきり言われた夏美は目が点になる。
言い切った宮地に女子部員達はニヤッとしてクスクスと乾いた笑みを浮かべていた。
一方側で見ていた高尾は仰天し、夏美を心配する。
(嘘でしょっ!?流石に女の子にはキツいっしょ!?そんな言い方!)
声を掛けようとした高尾だがその次の瞬間びっくりした。なんと、夏美は泣もせず怒りもせず、一呼吸置いてから冷静に言い返したのだ。
「…先輩がそう思われたのは無理もないです。実際そういう子はどこにでもいます。だけど、私をそんな子達と一緒にしないで!」
夏美はまず手短に主張した。流石の宮地も泣くかと思っていたのだが、夏美がしっかりと自分を見つめて意見を述べる姿に目が点になる。
バスケ部一同はそんな夏美に驚きや尊敬の眼差しを向ける。何せ部で1番恐れられている宮地に言い返したのだから。
(…ふーん。こいつ、可愛い顔してやるじゃねーか。少し震えてるけどな。)
「威勢はいいが、それだけじゃまだ納得できねーな。」
宮地はさらに意地悪な態度で夏美に突っかかる。
それでも夏美は物怖じせず理由を述べる。