第4章 相棒とマネージャーの果敢な日々
歯磨きして、いつものようにポニーテールに結んで、お弁当と水筒をバスケ部でお揃いのスポーツバックに入れて、シューズを履く。
ドアを開けようとすると辰也が玄関に来た。
「忘れ物はないか?何時に終わるんだい?」
「うん!OK!今日は夕方に終わると思う!」
「そっか。行ってらっしゃい。」
「いってきまーす!」
夏美は笑顔で元気良く出発する。
辰也は夏美が行った後で、リビングに戻り秀徳に緑間がいたことを思い出す。
(せっかく東京帰ってきたんだ。このまま家いてもつまらないし、夏美に見つからないように秀徳の練習試合見に行ってみるか。緑間君の事気になるしな。)
見つかると夏美に抱きつかれて目立ってしまうのを避けたかったのだ。
彼女にばれないようにと考えた辰也に、あるものをテーブルで見つけてその計画は一瞬にして破られた。
(夏美のやつ、おにぎり二つとも忘れてるし…。さっき開いたからな。しょうがない、昼になったら届けに行くか。)
辰也は溜息をついて呆れた表情をしたが、逆に怪しまれなくて済むとすぐに思いついて夏美に感謝した。
一方、おにぎりを忘れたことなど知らずに夏美は気分上々で自転車を漕いで学校へ向かった。
そして、ちょうど7時半に着き体育館と男バスの部室の鍵を職員室まで取りに行く。
どちらもあったので、まだ1番早い宮地が到着してないことを確認でき夏美は正直ホッとした。
男バスの部室の鍵を開けたら、ちょうど宮地が来て、肩を叩かれた。
「おっす。氷室!今日も頑張ってんな!」
「わ!宮地先輩!おはようございます!」
いきなり後ろから声をかけられたので、夏美はびっくりして振り向いたら宮地だったので、お辞儀をして挨拶をした。