第4章 相棒とマネージャーの果敢な日々
夜はすっかり明け、天気は快晴。雀がチュンチュンと鳴く声がして夏美は目覚めた。
目覚めし時計を見ると朝6時半であった。練習試合は8時から始まるが、マネージャーである彼女はいつも開始時間の30分前には学校に着くようにしている。
主にドリンクを作ったり、ボールのチェックをしたり、コートの準備をしたりしているのだ。
また現在高3の宮地清志がいつも朝早く来て練習するため、彼より早く行くことを目標としている。夏美はいい時間に起きれたと思い、機嫌が良かった。
秀徳のオレンジジャージに着替えて、一階へ降りて顔を洗い、寝癖を直す。
ダイニングへ向かうと、兄の辰也が起きて、料理をしていた。
「お兄ちゃん、おはよ〜。早いね〜。」
夏美はあくびをしながら辰也に言って、席に座る。
「おはよ。お弁当作ったから、忘れず持って行くんだぞ。」
辰也は眠気など微塵にも感じない、爽やかな微笑みを浮かべる。夏美はテーブルに置いてあったお弁当箱を見つけて、蓋を開ける。
中身は鳥の唐揚げ、甘い卵焼き、タコさんウインナー、サラダが入っていた。
サラダはレタス、ミニトマト、タマネギ、ブロッコリー、人参、ゆで卵の輪切りを塩コショウとオリーブオイルでかけたものだった。
そしてレモンの蜂蜜漬けが入っており、弁当箱とは別におにぎりが2個共アルミで包まれていた。
どれも夏美の大好物で、彼女は目を輝かせ、今日のお昼が楽しみになった。
「本当だ!!ありがとう!お兄ちゃん!すごーい!さっすが、できる男は違うね!」
「はは。言い過ぎだって。昨日の残りも混ざってるし」
「いやいや、十分だよ!すごい助かった!」
目を輝かせて喜ぶ夏美に辰也は我が妹ながら愛おしく思い、フッと微笑む。
「ほら、早く朝飯食べないと間に合わないぜ?」
辰也は夏美の頭を撫でて、隣の席に座る。
夏美は兄に促されて、お弁当のおかずのあまりとおにぎりを食べる。