第3章 エース様に万歳!
とりあえず高尾はシュート練をし、夏美は決まった本数を数えていた。
切りのいいところで高尾は休憩し、水分補給してクールダウンする。時計を見るともう夜8時前だったので、急いで帰ることにした。
「すっかりこんな時間になっちまったな。ごめん!てかお腹空いてるでしょ?」
「ううん。気にしないで。普通の練習だけでもキツイのにあれだけ自主練するのはホントにえらいよ!尊敬する!お腹はもう一線超えた感じだし、大丈夫だよ」
だが次の瞬間、グゥ〜とお腹が鳴る音がした。
「ハハ!痩せ我慢はダメだぜ。近くのマジバーガーで食べよっか」
高尾は子供のように笑って夏美を誘った。
「…うん。そうする」
学校の近くにあるマジバーガーに2人で入り、それぞれ注文して会計しようと夏美は財布を取り出す。だが、高尾はそれを止めた。
「いーよ。これぐらい、奢ってやるぜ」
「え、でも」
「いーからいーから。じゃあ、まとめてお願いしまーす」
「ありがとう、高尾君!」
「どーいたしまして!」
そして会計を終えて2人は席に座った。
「「いただきまーす」」
2人は相当お腹空いていたのでむしゃむしゃとスピーディに食べた。
一通りお腹が落ち着くと、夏美が話を切り出す。
「ねえ、高尾君っていつも真ちゃんにべったりだよね?どうして?」
夏美は高尾の目をしっかり見て天真爛漫に尋ねる。
高尾は夏美に見つめられて、目を逸らしてしまい、さらに顔を赤くしてどきっとした。
(ダメだなー。慣れたと思ったのにやっぱり夏美ちゃん可愛いわぁ)
(高尾君って、あたしが目を合わせるとすぐ逸らしちゃうんだよなー。どうしてなのかな?)
まあいいや、と後回しにして、質問に対する返事が返ってくるのをとりあえず待った。