第9章 WC〜後は天命を待つのみなのだよ〜
私の返事を聞くとカズ君は優しく微笑み、強く抱きしめる。
「ありがとよ。これからは超大事にするからな。お前を絶対幸せにする。」
もうそんなことを言われたら、私にはもうこの人しかいない、そう思った。
「…カズ君。嬉しい。私、今でも幸せ過ぎて堪らないのに…。」
カズ君の言葉が耳と脳天に響いて、私の目頭が熱くなりまた涙が溢れそうになる。まるで少女漫画の主人公みたいでとてもドキドキして心臓がバクバクだよ…。
「顔、もっと見せてくれ。」
カズ君に言われるまま私は両頬に手を添えられて顔を上げさせられる。
「…やだ、私今ヒドい顔してるのに。」
「ばーか。お前はどんな顔してても可愛いよ。」
「もう、カズ君てば。」
お互い笑い合うとまた暫くの沈黙が訪れ、お互い見つめ合う。私は目を涙でウルウルさせたままカズ君を見上げていると、カズ君は何故か私から目を逸らした。
「どう、したの?」
「わりぃ。お前の事大事にするって言ったのに、そんな顔されたら、すっげぇチューしたくなるじゃん…。」
何言ってるのよ。カズ君とならいいに決まってるじゃない。
言われて逆にもどかしくなってる私がいる。ビッチって思われるかな?でもダメ、もう待てない。
「いいよ、キス、して。カズ君…。」
私は心の赴くままに伝えて、目を閉じる。
「…夏美、お前。反則っしょ。マジで可愛すぎ。」
こうしてカズ君と私は唇を重ね合わせ、お互いの顔を隠し合うように、上唇を啄ばむようにキスをした。
それは甘くて優しくて蕩けるように幸せが詰まったキスだった。
fin.
おまけ→