第9章 WC〜後は天命を待つのみなのだよ〜
そのボーイフレンドは金髪碧眼の超がつくほどイケメンで、スポーツ万能、成績もまあまあ。
それだけでも王子様要素てんこ盛りなのに、女に優しくエスコートは完璧。男からも信頼が厚くユーモアもあり、金持ちの息子で中学で1番の人気者だったらしい。
そいつは綺麗になった夏美ちゃんにデートを申込み、夏美ちゃんは戸惑うものの友達に催促される。
夏美ちゃんもどうやら満更ではなかったし、辰也さんと重なる部分があったからデートに何回か行くようになったと。
誰にも何も言わずに出掛ける夏美ちゃんに辰也さんは怪しく思い、問い質しても夏美ちゃんは全く答えてくれない。
ある日出掛ける夏美ちゃんの後をコッソリとつけることにした辰也さんは、楽しそうに路地を歩く夏美ちゃんとそいつを見るが、なぜかそいつの目がギラギラしていて気に食わなかった。
2人が別れるまで後をつけていた辰也さんだが、途中で2人を見失う。慌てた辰也さんはストバス仲間に連絡して捜索を依頼する。
辰也さんも街の人達に聞き込みながら夏美ちゃんを探していると、ひと気のない裏通りに辿り着き女の叫び声が聞こえそこへ向かう。
その叫び声は夏美ちゃんのものだった。
夏美ちゃんは大泣きで服を全てひん剥かれて、両手を別の男2人に押さえつけられ逃げられない状態だった。
体を弄ばれてる最中をちょうど目の当たりにした辰也さんは当然居ても立っても居られなくなり、怒りに任せて3人をぶん殴り夏美ちゃんを連れて帰る。
錯乱している夏美ちゃんが落ち着くまで辰也さんや両親はずっと側にいて慰め続けた。
数日は学校を休んで、登校した夏美ちゃんだけど、無表情だったり泣いて帰ってくることが多くなった。