第9章 WC〜後は天命を待つのみなのだよ〜
辰也さんの話を順を追って纏めるとこんな感じだ。
夏美ちゃんは渡米してから中々馴染めずに1人でいる事が多く、基本的に辰也さんにベッタリだった。
またいつも一緒にいるもんだからかなりからかわれたらしく、それを辰也さんが強く言い返して守っていた。
あと日本人ということで差別され相手にされなかった事が多々あったらしい。
そして火神と出会い3人でよく遊ぶようになると本来の夏美ちゃんに戻る。
3人はよくストバスのコートで遊んでいたからその場にいた子達と仲良くなり、次第に夏美ちゃんにも友達が出来るようになった。
だけど通っていた小学校では夏美ちゃんを差別する輩がまだいたらしいが、火神と辰也さん、師匠のアレックスさんがいたからそいつらに屈しなかった。
本当は辛いくせに辰也さん達の前では笑っていて、かなりいじらしくて堪らなかったと辰也さんは言う。
ーそして中2になり夏美ちゃんは今と殆ど変わらないほど女らしく綺麗になってから、周りの目が著しく変わる。
学校でもようやく友達が増えて、夏美ちゃんは笑顔を見せることが多くなる。
だけどその時辰也さんは火神との勝負がお預けになってから、奴を超えるため鬼神の如く修練に励み、いつの間にか苦しんでプレイしてた辰也さんを見てられなくなった夏美ちゃんは心配する。
辰也さんは余裕がなかったからか、心配する夏美ちゃんをウザいと思ってしまい、喧嘩が毎日の様に繰り広げられた。それから2人は会話する事が減ってしまう。
ちょうどその時に夏美ちゃんは両親や辰也さんにも隠れて、誰かと出掛ける事が多くなったのだ。
それが昔付き合ってたボーイフレンドだ。