第8章 お前ら、人事を尽くすのだよ!
担任の許可が出て、クラス一同は立ち上がってなりたい男女同士で組みはじめる。
また夏美の元には彼女と一緒になりたいとそばに寄ってきた男子達に捕まってしまう。夏美はなるべく丁寧に断るものの中々引き下がってくれなくて困っていた。
(あー、もー!高尾君のとこ行けないよー!!)
そして高尾も何人かの女子に囲まれて、表情で悟られないように内心はイライラしていた。
(夏美ちゃんとこ行きてぇのに!どけっつの!)
2人を見兼ねた愛と優は助け舟を出しに夏美の元へ向かう。
「はいはーい!あんたらはお呼びじゃないの!」
優が夏美の肩を組みながらにこやかに断って、愛も高尾の元へと一緒に向かう。
「ありがと、2人とも。」
「全くモテる女は困るよねぇ。じゃ、行ってこい!」
優が夏美の背中を押し、愛が夏美の耳元でにやけながら囁く。
「愛しの彼の元へ、ね!」
「もう、愛ちゃんてば!」
愛の言葉に赤面し一喝して、高尾の元へ向かうが周りにいる女子が多くて中々辿り着かない。
(…夏美ちゃん?もしかして、俺のところに来てくれるのか?)
高尾は夏美の姿が見えるといてもたってもいられず、謝りながら周りにいた女子達を押し退けていく。
「夏美ちゃん!」
「高尾君!」
そして2人は互いに緊張してるのか赤面しながら暫く見つめあっていた。先に夏美が先程のようにいちごパンツに願いを込めながら、意を決する。
「…高尾君。私と一緒の、グループに、なってくれませんか?」
夏美の赤面は最高潮に達し、おまけに目もウルウルさせて上目遣いになっている。
(マジその顔反則だぜ…。久しぶりに見ると破壊力やべえ!断る気ははなからねーけど。)
高尾はそんな彼女を堪らなく愛しく思って、優しく微笑む。
「…ああ、よろしく頼むぜ。」
夏美は高尾が了承してくれたことが嬉しくて堪らなくて、まるで太陽のように眩しい笑顔を彼に向ける。
「やったあ!すっごい嬉しい!!ありがとう!修学旅行いっぱい楽しもうね!」
そして高尾も自然とつられて夏美に負けないくらいの笑顔になった。
「へへ、おうよ!めっちゃ写真取ろうぜ!」