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Field Of View〜君を捕まえたい〜

第8章 お前ら、人事を尽くすのだよ!


夏美が立ちこぎをし始めた時に突風が吹いてスカートが捲れ上がる。でもハンドルを握っているためスカートを押さえることができない。

「きゃあっ!!」

(なんかスースーすると思ってたら紺パン履いてくるの忘れてた!!うわー最悪!高尾君たちに見られたかも~。いや、結構離れたから大丈夫かな。てか思いたい!)


だが夏美の願い虚しく、目がいい高尾は勿論その光景をしっかりと目に焼き付けていた。緑間は優雅に読書をしていたので夏美のショーツを見ることはなかった。


(やっべー、パンツ見ちまったよ。いちごかぁ。案外可愛いもんだな。つーかそういうとこ隙ありすぎだっつの、夏美ちゃん。他の奴らに見られたら俺ただじゃおかねーかも。)


嬉しさと気まずさが混じりながら、赤面し口を半開きにして少し呆然としていた。


「おい、高尾。何ぼうっとしているのだよ?」

「あ、わりいわりい。じゃ、行きますか!!」
(真ちゃんにホントのこと言ったら引かれるし、それにこれは俺だけの秘密だもんね!!)


緑間は特に気に止めず読書を再開する。そして高尾は自転車でリアカーを引きながら、緑間が後ろにいるのをいいことに顔がにやけていた。


(ああ、だめだ。夏美ちゃんともう一回仲直りしなきゃなんねーのにパンチラ見せられたもんだからまたエロイ妄想しちまう。)

(夏美ちゃんのパンツの中身を他のやつに見られると思ったら、気が狂いそうだわ。絶対俺が独り占めするもんね!!)

「おい。今日はやけに静かだな。気持ちわるいのだよ。」

ニヤついて次は内心で闘志を燃やしていると不意に緑間に話しかけられて、正気に戻った。

「真ちゃんさ、喋っても黙っても怒るよな?どうしたらいいのかわかんねーよ。」

口を尖らせて文句を言う高尾に緑間は平然と言い放つ。

「お前は極端過ぎるのだよ。さじ加減を覚えろ。」


いつものように高尾は適当に受け流し、学校へと目指しながらあることを思い出す。


(そういや今日修旅の班決めじゃねーか。夏美ちゃんと一緒になって早く誤解解きてえ。あいつから来てくれればいいけどそんな都合よくなるとは思えねーし、ダメもとでも声をかけっか!今は人事を尽くすしかねえしよ。)



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