第8章 お前ら、人事を尽くすのだよ！

優ちゃんが鼓舞すると愛ちゃんは両手でパンと叩いて思い出したように言う。

「あ、そうだよー！明日のおは朝占いチェックしなきゃ！」

「愛ちゃんも見てたの？おは朝。」

「うん！よく当たるんだよー。毎日欠かさずね。」

「ふふ、そうなんだ！愛ちゃん、乙女ー！！」

愛ちゃんがウインクをして可愛く言うと、私は微笑む。それにおは朝と言ったら、あの人がすぐ出てきて頭を離れないもんだから２人に打ち明ける。


「ね、聞いて！真ちゃんもね、毎朝おは朝占いチェックしてるんだよー。しかもラッキーアイテムだって肌身離さず持ち歩いてるんだよ！！」

そして私の期待を裏切らない、いやそれ以上の反応を二人共見せてくれる。二人のリアクションに釣られて私も吹き出してしまう。

「ま、ま、マジなの！？あの堅物で非科学的なことなんか一切信じなそうなのに！？」

「ど、ど、どうしよ！想像すると、だ、だめ！わ、わ、笑い死にしそう！！しかも、持ち歩いてるとか！？」

「でしょー！あの195もある大男が見てると思うと、ね。あ、どうしよ、私も、だめ、久しぶりに想像したら、お腹が…！！」


三人共笑いが止まらなくてお腹をずっと抑えていた。やっと落ち着くと愛ちゃんから話を切り出す。

「あーおっかし。てか夏美って何座だっけ？」

「７月１４日の蟹座だよ。真ちゃんと同じなの。」

「蟹座の運勢はっと…。」

愛ちゃんがケータイでおは朝占いのページを開き、見やすいようにテーブルの真ん中に置いて三人で食い入るように画面を見る。

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明日の最下位は、ごめんなさい、蟹座のあなた！

総合運★☆☆
仕事運★☆☆
恋愛運★☆☆

何をやっても散々な日に…。特に恋のライバルが邪魔してきそう。でもここは冷静になって行動することを忘れずに！

そんなあなたの明日のラッキーアイテムは……イチゴパンツ！

可愛いいちごパンツを履けば気分が落ち着くこと間違いなし☆それでは明日も一日頑張りましょう！
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そして愛ちゃんが無言でケータイを閉じてジャージのポケットにしまう。少しの間静寂が訪れるけど、きっと私達三人は同じことを考えている。