第7章 Turning point
真理子に泣かれるまで、自分のしてきた事がどれだけ最低だったかやっとわかるなんてよ。
真理子に告白された時、可愛くてスタイルめっちゃいいし、一緒にいると楽しいし、付き合ったら自分の株になると思って軽い気持ちでOKしちまった。
人生楽しんだもん勝ち、が裏目に出ちまったぜ、ほんと。…これであん時はよく夏美ちゃんを責めれたもんだな。
俺は今まで目を背けてきた事実にやっと向き合ったことで、後悔と懺悔を胸にして真理子に頭を下げた。
「い、いきなりどうしたのよ?」
「…真理子、今まで悪かった…!俺、お前に泣かれるまで自分のやってきた事とお前からずっと目を背けてた。」
真理子は黙っていた。多分俺が謝るとは思ってもいなかっただろうからな。俺は一旦顔を上げて、真理子を今度は心を込めた真剣な眼差しで見つめる。
「…もう、謝っても許してもらえねーのは覚悟してる。だけど、お前にも夏美ちゃんにも誠実でありたいんだ!…俺はこの先何があってもお前との事を受け止めて、忘れはしない…!」
そして、真理子は手を口に添えると泣き崩れて両膝を地面につけた。
「…ぐす。ぐす、そんな事…言われたら、あんたの事…また、好きに…なっちゃう…じゃない!…和成の、ばかぁ…!」
「…真理子、お前って奴は…!」
俺は許してくれないって思ってたから真理子の言葉に思わず驚愕し、良心がすこぶる痛くなり、握り拳を震えさせる。
…これじゃあ、ほっとけねーじゃねーかよ。
そしてしゃがんで泣き崩れる真理子と目線を合わせる。
「…もう、そんなじゃ戻りづらいだろ?荷物取ってくっから、ちょっとここで待ってろ。」
目を見開いて驚く真理子を置いて、一旦パーティルームに戻る。