第2章 二度ある事は三度ある
扉を引き、待ち望んでいた転校生が入ってきた。やはり声の特徴からして女子だった。
身長は163cmくらいのスマートな出で立ちをしている。
(やっぱり…夏美ちゃんだ……)
高尾は心底嬉しく思い、胸の鼓動は最高潮に達した。
(やはり、あいつだったのか。偶然にしてもできすぎているのだよ)
緑間は先程の事を振り返りながら、運命の悪戯を感じ怪訝した。
そして夏美は黒板に自分の名前を漢字で書き、前を向く。そしてクラス一同に必殺の微笑みを浮かべる。
勿論クラス一同は男女関係なく、想像以上の夏美の美貌に思わず息を飲んだ。
「皆さん初めまして。氷室夏美です。趣味はスポーツ観戦、料理、アニメや漫画鑑賞です。
中でもバスケが1番大好きで、アメリカに居た頃は家族や友達と一緒にNBAを見に行ってました。
小さい頃から向こうにいたのでまだ日本の習慣や言葉に慣れていませんが、よろしくお願いします」
自己紹介を済ませた夏美はお辞儀をすると、クラス一同から拍手が送られる。
「えーと、席は、丁度高尾の隣が空いてるな。氷室さんは左から二列目の空いてる席座ってくれる?」
「はい、分かりました」
担任に言われた通り、夏美は高尾の隣の席へ向かう。
高尾はというと、かなり浮足が立っていた。
(マジでマジで!?ラッキーすぎるでしょ!しかもバスケ好きみたいだし、運命感じるわ!ほんと!)