第7章 Turning point
「あのねー夏美、好きとか気になるとか気持ちの度合いをいちいち気にしてたら、すぐにライバルに、真理子に取られちゃうよ!」
「…優ちゃん。」
そして愛ちゃんも私を挟むように隣に座って肩を組む。
「そうそう。気になり出したらもう好きなんだよ!ガンガン行っちゃえ!きっと高尾君、まだ夏美の事好きだと思うよ。」
「え、愛ちゃん、どうしてそんな事…?」
愛ちゃんと優ちゃんはお互いに目を合わせて、私に言い聞かせてくれた。
「だって、高尾君ちょいちょいあんたの事目線で追ってるし、真理子と話しててもたまに上の空だし!今日なんか夏美のメイド姿に隠れて萌えてたんだよ!」
「それに、この前夏美がサッカー部の先輩に呼び出された時なんか、呆然としちゃって緑間君にさっさと部活に連行されちゃうしね!」
「2人とも…。」
2人の垣間見せる優しさと励ましに私は嬉しさと幸せで胸がいっぱいになる。愛ちゃんが肩組を解いて、立ち上がり急に力こぶしを作る。
「…でもさ、これってあたしらの推測にすぎないから、高尾君もう呼び出しちゃおーよ!」
「待った、愛!真理子のことだから、夏美に何するかわからないよ!あいつ、怒らせたらマジで怖いし…。」
「そうだった…。うーん、じゃあ、どうしよっか?って、緑間君がいるじゃん!」
え、真ちゃん!?
私と優ちゃんは思わず目を見合わせる。
「え、ちょっと、愛。緑間君で大丈夫なの!?高尾君といつも一緒にはいるけど変人だし、何考えてるかわからないし、てか人の事あんま興味なさそうじゃない?」
優ちゃん、さすが手厳しいー。真ちゃん、こてんぱんに言われてるよ。やっぱりそう見えちゃうんだね…。
流石に真ちゃんが可哀想なのでちょっとフォローをしとく。
「優ちゃん、あのね。真ちゃんは、自分の興味ある人だとちゃんと真剣になってくれる!ちょっと小姑みたいだけど!」
「優、夏美が言うくらいだし、きっと大丈夫だよ!呼びにいこ!ね?」
私と愛ちゃんに後押しされて、悩んでいた優ちゃんだけど、腹を決めたのか「よし、じゃあ行くか」と言って、私にここで待ってもらうように言い、パーティルームへ戻って行った。