第7章 Turning point
私達3人はパーティルームから出て、フロントから出てすぐにある階段を少し上がったところで腰を下ろした。
「ここなら大丈夫っしょ!さ、夏美。」
そして私は高尾君とWCで喧嘩し、気まずくなった経緯を順を追って話した。
「ふーん、なるほどね。噂だけは聞いてたんだけどそういうことか。にしても、結構昔のことだよね?あんたら、意外とウジウジしてんのねー。」
「ま、ブラコンも大概にしろってことだよね。」
名前とは裏腹に、優ちゃんと愛ちゃんにズバズバはっきりと言われた私はタジタジになっていた。でも的を得ているため、認めざるを得ない。
「…はい、ごもっともです。」
「てかさ、あんたはさ、高尾君の事、好きなの?」
優ちゃんに聞かれるけど、私はまだはっきりと簡潔に答えられないから、今までの気持ちの経緯を話すことにした。
「…私、1年生の時は高尾君と一緒にいると昔の嫌な事忘れるぐらい楽しいなとしか思わなかった。
けど、喧嘩して気まずくなって、高尾君と真ちゃんの間に入れなくなって、そしたら真理子ちゃんがそこに入って楽しそうに喋ってるの見たら、なんか胸がキュッと苦しくなって…。」
「「それって完璧、好きじゃん!!」」
2人が声を揃えて言うほどなので、私は胸を撫で下ろしながら、「やっぱりそうなのかな」と確認する。また2人は声を合わせて「うんうん」とうなづいた。
私が、高尾君を、好き…?…高尾君を、好き…。
頬に両手を添えて、心の中で復唱していると急に赤面し、熱がこもった。
「あ、夏美から湯気出そう。絶対、好きだね、これは。」
私を差し置いて愛ちゃん達は勝手に納得していた。
「…でも、私気になるぐらいかなって思ってて、別に好きとかじゃ…。」
「「くどい!!」」
お、怒られた…。やっぱり2人とも手厳しい…。
そして優ちゃんは私の隣に座って、背中をポンポンと叩く。