第7章 Turning point
ーSide 夏美ー
近くのカラオケのパーティルームにクラス一同は入って行き、適当に席に座る。真理子ちゃんは即座に高尾君の腕を掴んで隣同士になろうとキープした。
…ああ、ダメ。見てられない、胸が痛いよう。
高尾君達から離れて、私はグループ内でも特に仲の良い女子2人に囲まれて座った。2人もバスケ部で1年生の時の親睦会において洋楽の話で盛り上がり、それから仲良くなったのだ。
「真理子も必死だよね〜。高尾君にすごい密着してるし。」
彼女は江口 優。優ちゃんって呼んでる。優ちゃんがそう言うと私も真理子ちゃんの事を食い入るように確認する。
「…真理子ちゃん、あんなにおっぱい押し付けてる!」
真理子ちゃん、おっぱい大きいし、絶対高尾君が鼻伸ばしてる…!そんなの、やだやだ!
私は嫉妬にまみれながらも2人の事を目線で追っているともう一人の友達に声をかけられる。
「あれ、夏美、真理子達の事、気になんの?」
この子は野崎 愛。愛ちゃんって呼んでる。愛ちゃんが私に尋ねてきた。私は両手を左右に振って照れ隠しする。
「や、やだな!優ちゃんが言ったからつい!」
「「怪しいー。」」
2人にジロッと睨まれて逃げられない。けど、真理子ちゃんとの約束があるから言うに言えない。
「てか、夏美、1年の時さ、毎日のように高尾君や緑間君と喋ってたじゃん?なんで絡まなくなっちゃったの?」
愛ちゃんが私に尋ねると代わりに優ちゃんが答えた。
「愛ってば、それは真理子が陣取ってるからでしょーが。」
「だから、それ以外にもワケあるか聞きたいの!さ、夏美言ってごらん!?」
うう、2人とも鋭い…!逃げられない!
根負けした私は仕方なく言うことにした。でも彼女達は信頼がおける人達だし大丈夫だろう。
「誰にも言わないって約束してくれる?」
私は両手で握り拳を作って2人に懇願すると、優ちゃんが肩を組んで笑顔で言ってくれた。
「もちろん!じゃあここだと話しにくそうだし、外出よっか!!」