第6章 WC開幕〜Ready Fight!〜
第4クオーターも赤司を中心にして秀徳は20点も差をつけられ、緑間と高尾は一瞬諦めかける。だが大坪達3年のスタメンに、喝を入れられ気を取り直す。
また夏美も高尾と緑間と同じようにその点差に絶望していたが、スタメンの3年や控え選手、観客席にいる部員達を見て夏美も心を入れ替えた。
(そうよ!先輩達がまだ頑張ってるのに、信じて応援しなきゃダメじゃない!!あと6分も切っちゃうけど、精一杯やんなきゃ!!)
夏美は声を一滴残らず振り絞って、必死で応援をする。
そして、秀徳のOFとなり攻めあぐねてきたところ、残り10秒を切ったところで緑間がなんと、ボールを持たずにシュート態勢に入りジャンプをした。
ジャンプの最高到達点に達した所を高尾がノールックパスをする。つまり空中で緑間がボールをキャッチしてそのまま3Pシュートを打ったのだ。
(あれを公式戦で決めるなんて…!!すごい、すごいよ、皆!!)
夏美は決まった瞬間、感動で胸がいっぱいになり、同時にキツイ練習の後も自主練を欠かさなかった高尾と緑間の姿を思い出す。
(2人はあれだけ練習して、努力したんだもん!!まだ望みはある!!)
夏美は勝ってほしい、ただそれだけを願って応援をし続ける。
一時は11点差まで追い付いた秀徳だが、ここで赤司のオウンゴールにより、洛山の選手達に赤司の恐怖の鼓舞を入れられて顔付きが変わる。
夏美には赤司がなぜそんなことをして何を言ったかはわからなかったが、コートにいる選手達の顔付きを見て何か嫌な予感を感じていた。
その予感通り、洛山の選手達は次々と点差を離していく。秀徳は最後まで諦めずに誰も闘志を失わなかった。だが、努力は虚しく届かなかった…。
ーー試合が終了し、大坪とスタメン達はは応援してくれた部員達へ敬礼する。彼等の姿を見て夏美や観客、秀徳のメンバー達は喝采な拍手を送る。
スタメン達がコートを去ると夏美も彼等を追った。