第6章 WC開幕〜Ready Fight!〜
3人はやっと笑いが落ち着き、緑間を連れて観客席に向かう。
「夏美達も辰也達のゲーム見に行くのか?」
「うん!アレックスも一緒にどお?」
アレックスは手を頬に当てて少し考えて、目線を夏美に戻す。
「うーん、私は1人でいいよ。それに。」
「それに?」
ニヤニヤ笑いながら肩を組みアレックスは夏美に小声にして英語で尋ねる。
「It's unusual for you to be with some boys except for Tatuya and Taiga. Which is your boyfriend of them?(お前が辰也と大我以外の男といるなんて珍しいな。どっちかお前の彼氏か?)」
夏美は顔を赤くさせて英語で言い返す。
「No way! Stop kidding around! They are just good friends and basketball teammates!(まさか!からかわないでってば!彼等はただの友達でバスケのチームメイトよ!)」
「I see. But that black hair boy seems to love you.(ふーん。でもあの黒髪の少年はお前の事好きそうだけどな。)」
(アレックス、感良すぎでしょ!?さすが、年上の女は違う…。)
「I got you,didn't I?(図星か?)」
アレックスは不敵な笑みを浮かべて夏美の顔を覗き込む。
「Well, I'll talk you about it sometime.(うーん、また今度話すよ。)」
「OK! I'm looking forward it! See you next time!(OK!楽しみにしてるぜ!じゃあな!)」
アレックスは肩組を解き夏美達に手を振って別れた。
高尾と緑間は2人がさっき何を話しているか気になって夏美に尋ねてみる。
夏美は人差し指を唇に当てウィンクをしながら、言い放つ。
「なーいしょ!さあ、早くしないと試合始まっちゃうよ!」
(ベタだけど、やられたぜ…。やっぱり夏美ちゃん、可愛いすぎ!!)
ノックアウトされた高尾に緑間は呆れながら、彼のジャージの襟を引っ張って連行する。