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Field Of View〜君を捕まえたい〜

第6章 WC開幕〜Ready Fight!〜


12月のある日、とうとう待ち望んだWCが開催された。各校の選手達のみならず、夏美もこの日が来るの心待ちにしており、前日は目を血走らせくまができるくらい眠れなかった。


(…やばい、超眠い。開会式、絶対寝るわ、これ。)


くまはコンシーラーを塗りたくって誤魔化したものの目の充血はどうしようもないので、仕方なく準備を済ませそのまま集合場所へ向かう。


いつも体調管理が万全で朝でも元気いっぱいの夏美の眠そうな姿を見て、高尾のみならず部員達ほぼ全員が心配をした。緑間は鼻で笑いながら、呆れていたが。


またプラカードを夏美が持つことになっているので当然先頭に立つことになる。

もし、寝たら恥ずかしいので夏美の後ろに並ぶ予定の大坪にペシペシと叩いて起こして欲しいと夏美は頼む。


「大坪さーん!代わりに俺がやるっすよー!」


高尾はニヤニヤしながら調子良く手を挙げると、宮地はゲンコツを頭に食らわせて、含み笑いをしながら静かに言い聞かせる。

「おい、高尾。下心見え見えだぜ。だったら俺が代わりにおめぇをパイナップルで叩いてやるよ。」

高尾は背筋が凍って固まってしまう。2人のやり取りに男バス全員はニヤついた口を手で押さえて体を震えさせていた。


一方夏美はいつもなら高尾のセクハラや男バス部員からの冷やかしに、顔を赤くさせて突っ込むものの今日は無反応だった。


それは隣にいた大坪の胸元に夏美は体を寄せて立ち寝していたからだ。


赤ん坊のように純粋無垢な美少女の寝顔にさすがの大坪も赤面し、動揺するがとりあえず夏美が倒れないように彼女の肩を寄せた。


「…!いいなぁ〜、大坪さん!!超羨ましい〜!!」

「はは、高尾はチャラいから氷室は察してんだろうな。」

「何それ酷いっすよ、大坪さん!!真ちゃん何か言って!」

「いや、大坪さんの言う通りなのだよ。」

「真ちゃんまで!!てか俺こんないじられキャラだっけ?」

「うっせーよ、高尾!!轢くぞ!てか、氷室さっさと起こして行こうぜ!」

いじける高尾を他所に部員達は夏美を無理矢理起こして会場へ入り、開会式が始まった。

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