第3章 出会いの時間
──???視点──
今日は早く仕事が終ったので
家に帰って休もうとしたとき…
どうしようもない胸の高鳴りを感じた…
今までどんな修羅場も潜り抜けて来たが
こんなに緊張する感覚は始めてだ…
油断はできない…出来る筈がない…
頭が…
脳が…
体が…
本能が…
その者は危険だと…
今すぐ逃げ出したいのに体は動かない…
体はここから逃げ出したいのに…
僕の心はその者に会いたがっている…
僕はそっと辺りを見渡す…
そして見付けた…
ビルの上にいるフードを深く被った人を…
異常な存在感を出す人に…
性別は分からないがとりあえず
男として例えよう…
彼はビルの上から辺りを見渡し
ある一点に目を定めた…
その瞬間彼は…
空気になった…
いや、あり得ない…
彼のような異常な存在の塊が!!
異常そのものの彼が!!空気になっただと…!?
そんなのはあり得ない!!
目を凝らすと
彼はまだビルの上に居た…
彼は空気になったのではない…
彼は空気に溶け込んだのだ…
そして彼はそのまま落ちていった…