-----フクオカファーストハイスクール-----
第1章 うるさいギタリスト
音楽のテストは、無事終えることが出来た。
Fはやっぱりきれいに鳴らなかったけど、押さえられたから大丈夫。
最初の自分に比べたら、満足以上のできばえ。数百倍、数千倍、くらい?もっとかな。いや数千倍かな。2500倍くらいかな。
まぁいいとして、ここまでできるようになったのは、ほとんどというか全てチャゲのおかげ。
彼はいつだって、目立ちたがりの人気者。
いつも周りに人が居て、女の子からもいっぱい話しかけられてる。
本人もモテるって言ってたしな。現にこの状況じゃあながち嘘じゃなかろう。
そんな彼が、自分と二人だけで一緒にいられた時間。
彼との練習の時間は、本当に楽しかった。
最初はうるさいだけの人だと思っていたけど、
ちゃんと話を聞いてくれるし、なにより彼の言葉は自分まで明るくさせてくれる。
確かにテストが終わってほっとした。けど
そんな彼と練習できなくなるのが、寂しい。
もっと練習したい。
もっと会いたい。
もっと話がしたい。
もっと二人だけでいたい。
心のむずがゆさを取り除こうと自分に問いただしていたら、
これに気づいてしまったのだった。
また、今日、川辺へ歩いた。
寂しくなってるのか、癖になってるのか。
そしたら、土手には、
草がそよぐだけだった。
・・・当たり前だよね。
うん。
当たり前だよね・・・・・・。