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-----フクオカファーストハイスクール-----

第1章 うるさいギタリスト




ここは天神。福岡一の繁華街。
所狭しと立ち並ぶさまざまなお店をひとつひとつ見ながら、私はゆっくり歩く。


チャゲへのお礼を探す為だ。

放課後時間を割いて、つきっきりで教えてくれたんだから。
あんな人気者じゃたびたび他の男子から遊びに誘われるだろうに、予定をわざわざ変えてきてくれた時もあった。

「今日遊びに誘われてなかった?良いの?」

「あーだいじょーぶだいじょーぶ。うち料理屋だから、家にガキを上げまくって暴れてると怒られんの。
とーちゃんいつも包丁もってっから、まぁ力ずくでも追い返せんのね。しないけど。ぷ。」

「そっかぁ。チャゲの家、料亭だったもんね。そりゃ騒ぐのに不適切だね。」

「まーねぇ。おまけに兄貴もいるから、男はまだしもウカツに女を上げることなんて不可能なわけー!変なことできないでしょ??」

「やめてよ~~~」

「あっ今ちょっと『変なこと』って何か考えちゃったでしょ???でしょでしょ???ぷぷぷ!!」



だから、何かモノくらい渡しておきたいなぁと思っている。

…さて、お礼と言っても、何をすべきだろうか。男子にお礼って、どうすりゃいいんだろう…
分からないよ…

そんなところで、無計画のまま、ここなら何かはあるだろうと天神に来ているわけだ。
しかしいまだピンと来るモノ、見つからず。
ギターグッズだって、好み(見た目だけじゃなく、使い心地とか)があるだろうからあまり良い手段ってわけでもない。
女子ならアクセとかでもいいんだろうけど、男子にあげたらなんかその・・・周りの目が気になるし、それであっちの負担になったら嫌だし。
でも、食べ物とかだけじゃなんか嫌だな。
なくなるモノじゃ、せっかくの思い出も消えちゃうようで。



いろいろ考えながら、一応、百貨店に足を運ぶ。
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