-----フクオカファーストハイスクール-----
第2章 北海道からの転校生
今日も教室でチャゲが弾き語り・・・ん。
おかしいぞ、周りの人がすげー少ない。
いつものキャピキャピ女子が誰一人いない!!!
みんなどこ行ったんだろ?
とりあえず、今まであんま近くで聴けなかったから、今日はチャゲの近くで弾き語りを楽しもう。
やっぱり好きだな、この歌声。
「今日人少なくない?」
・・・一曲終わった後、誰かがそうこぼす。
「なんかみんな、重明のとこに行ってるみたいでさ。
あいつもギターを始めたらしいよ」
「「なんだって!」」
と、チャゲと同時に声を上げてしまった自分。
「あの剣道少年がギターだと!!!ほー!」
チャゲはかなり驚いている。そりゃそーだべなあ・・・
一応、その後もまばらな人の中、チャゲの弾き語りを聴き続けた。
私はずっとチャゲのほうに居たけど、
なんか、日に日に周りの人が減っていってる気がする・・・いやホントに減ってってる。
・・・・・・・・・
数日後、チャゲと廊下に居合わせたときだ。
「どうしよエリー。宮﨑って居たろ?
あいつさ、歌すげえええええええええええうまいことうまいこと!!!!!
こないだお忍びで聴きに行ったんだけどさ、もうすげえショックだったよ・・・」
「ほえぇ・・・・・・・・・」
だから最近チャゲは元気がなかったのか・・・
チャゲがショックを受けるほど歌が上手いのか・・・へぇ
「ひえええぇぇぇぇんエリー~~~~~~~~~~~~~~っ」
チャゲは身体を揺らしながら悲しい顔をして泣きそうな声を出し、体全体で悲しみを表現している。
相変わらずステレオなヤツ。
「俺は悲しいぞーーーーーーっ!!!!」
「チャゲ、こんなとこで騒ぐのは迷惑だよ・・・
どっかでゆっくり話聞くからさ・・・」
「ほんと??」
・・・とりあえず廊下で騒ぐのはやめてもらえた。