-----フクオカファーストハイスクール-----
第2章 北海道からの転校生
今日は、うちの部は都合により早く解散した。
他の部はまだ部活中だからだーれもいない廊下を、ぶらぶら歩いている。
ありゃ、だーれもいないわけじゃなかった。
袴をはいた誰かが歩いて居るぞ。
歩いているというかすごいうろうろしているぞ。挙動不審。
誰か探してるのかな?
そう思いつつすれ違おうとすると、
「あ・・・の」
うおお!話しかけられた!
声の主を見ると、背の高い男子。眉毛もびしっとしてて目もぐりっとしててこえーな。ぶるぶる。
「・・・保健室って・・・どこかな」
へ?
がたいが良いくせに、なんつーかやわらかい声で自信なさげに喋ってる・・・でっでも怖いぞ・・・
「その・・・転校したてだからよくわかんなくて。
校舎の案内はされたんだけど、忘れちゃった・・・
なのに『大丈夫です!一人で行けます!!』って言っちゃって・・・」
ぬおおおおおおお!こいつが転校生なのか!!!
「あ、うん、付いてきてもらえるかな」
どうせヒマだし、断る理由もないし。
「ありがとう。お願いします」
転校生はほほえんだ。なんだ、笑うと怖くないじゃん。ほっ。