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希望の花を咲かせし者

第2章 2咲目,入団


夢の中で、唇に人の体温を感じた。

その人の体温は少しだけ冷たくて、気持ちよかった。




目を覚ますと、リヴァイさんの顔が間近にあった。

また一緒に寝てしまったのだろうかと思ったが、寝る前の記憶からは違うことが明らかだった。

まだぼんやりする頭で状況を理解すると、唇にはリヴァイさんの唇が重なっている。

キスを、されてる…?

「っ!!?」

私の頭は一気に覚醒し、顔は耳まで真っ赤になった。

そんな私を見て、リヴァイさんは私の唇から離れた。

「なんだ、起きちまったのか」

「え、え?リヴァイさん?何を…」

「お前はキスも知らねぇのか?」

え、じゃあ、やっぱり…私、リヴァイさんと、キス…。

顔に熱が集中していくのがわかる。

なんでこんなに恥ずかしがるのかって?


ファーストキスだからです!


顔を熟れたりんごのようにしている私を見て、リヴァイさんは察したらしい。

「お前…もしかしてキスは初めてか?」

「は…はい…」

「……」

リヴァイさんは頷いた私の顔を上げ、見つめ合うような形にさせられた。

さらに熱が集中し、少しだけ涙が浮かんでくる。

「…嫌だったか?」

「い、いえ…」

「…ならなぜ泣く」

「え、えと…これは……初めてで…恥ずかしくて…っ」

恥ずかしさのあまりまたうつむくと、リヴァイさんが私の顎に手を添え、クイッと上を向かされた。

「俺を見ていろ」

「っ…な…なんで…私に…キス、を…?」

「……」

リヴァイさんは黙ってしまってどうしたらいいかわからない。

とりあえず見つめていると、急に抱きしめられた。

そして、リヴァイさんが囁くように耳元で告げた。

「…お前が……好きだ」

え…?今…なんて…?

「り…リヴァイ、さん…?」

「…返事はよく考えてからでいい」

「は、はい…」

理解が追いつかずあたふたしている私を見て、リヴァイさんは面白そうにほんの少しだけ口角を上げた。

彼の笑顔は、とても綺麗だった。

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