第2章 2咲目,入団
ーーーチリン…
…なんだろう…この音…鈴…?
どこからしてるんだろう…。
でも…綺麗な音…。
それにしても…ここは…どこだろう…。
真っ暗で…何にもない…。
誰かいないの…?
あれ…?あそこにいるのは……お兄ちゃん…?
お兄ちゃん…お兄ちゃんなの…!?
私の目の前にいるのは紛れもない兄の姿。
兄は微笑むと背を向けて歩き出した。
待って!待ってよ!お兄ちゃん!おいていかないで!!
追いかけても追いかけても、差は広がっていくばかり。
真っ暗な空間に眩しい光が差し込んできた。
「はっ!」
私は現実に引き戻され、目を開けた。どうやら夢を見ていたみたい。
「…夢…」
夢だとわかって少し沈んだ気分になったが、それはすぐに吹き飛び、私は目を疑った。
何故かリヴァイさんの寝顔が間近にあったからだ。
「!!?」
叫びそうになるのを堪え、状況を理解しようと必死になる。
昨日、リヴァイさんの腕の中で号泣して…引き止めて…それから…そのまま寝ちゃって…あ、リヴァイさんが運んでくれたのか…で、でも…なんでリヴァイさんが一緒に寝てるの?しかも抱きしめられてるっ!?
私は恥ずかしさとわけがわからないのとで軽いパニックを起こしていた。
そんな中、リヴァイさんが眉間にシワを寄せて起きた。
「…おい…うるさいぞ、朝っぱらから」
「ご、ごめんなさいっ!で、でも、なんで、その…リヴァイさんが…一緒に…?」
「あ?お前が寝ながら俺の服掴んで離さなかったからだろうが」
「えっ!?むぐっ!」
「うるさい、頭に響く」
未だパニック状態な私の口をリヴァイさんの大きな手で塞がれてしまった。
リヴァイさんは私の顔を覗き込むように近づいてくる。
心臓が、早鐘を鳴らす。
「お前、うなされていたぞ」
「?」
「何か悪い夢でも見たか」
「!!……」
「…あぁ、このままじゃ喋れんな」
そう言って私の口から手を離してくれた。少し苦しかったので深く息を吸い込む
「ぷぁ…」
「!…」
「?どうしました?リヴァイさん」
固まってしまったリヴァイさんを今度は私が覗き込む。