第2章 2咲目,入団
それから一週間が経った。私は朝にエルヴィン団長のお手伝いをし、夕飯を食べ終わった後にリヴァイ兵長に訓練を見てもらっていた。きっと、夜にエルヴィン団長のところへ行かせないようにするために夕飯の後に指定したような気がする。何故だかはわからないけれど。
今日もリヴァイ兵長にしごかれていた。その最中、兵長はついに試験の日程を指定してきた。
試験は明日の正午。内容は当日に知らされるから、何をするのかはわからない。けど、どんなことでも乗り越えなければ、兵士にはなれないことを知っている。だから、どんなことでも、私は絶対に合格してみせる。
心の中で1人意気込んでいると、陽気な声が聞こえてくる。
「あ!イリアじゃないか!」
「ハンジさん!」
ハンジさんは調査兵団の分隊長で、みんなからは変人と呼ばれているけどとても優しくて気さくな人。普段は巨人の研究をしていて、よくその話を聞かせてくれる。とても熱心だからすこし…いや、かなりの時間つきあわされることもある。けど、そんなハンジさんの話を聞くのは楽しかった。それに、知らないことを新たに知ることが出来るのはとても充実感がある。
私が熱心に聞いているからか、ハンジさんは私を気にいってくれたようだ。
「リヴァイから聞いたよ?明日、入団テストなんだってね!頑張って!イリアなら絶対大丈夫!」
「ありがとうございます!頑張りますね!」
「君は勉強熱心だし、訓練も熱心な姿勢で行ってる。あのリヴァイの訓練についていける人なんてそうそういないよ!だから自信持って!」
「はい!」
「よぉし、いい返事だ!今日はもう遅いから、明日に備えて早くお休み」
そう言って私の頭を撫でてくれるハンジさんの手は優しくて安心する。お礼を言ってハンジさんと別れ、部屋に戻った。
「はぁ…今日も厳しかったなぁ…リヴァイさん…でも、これくらいでへばってちゃ、兵士にはなれないよね…頑張らなきゃ!」
私は自分に喝を入れ、今日教わったことの復習をする。体を痛めないようにストレッチをした後、ベッドにもぐって寝ようとした。が、なかなか寝付けない。
うーん…困ったなぁ…いつもはすぐ眠れるのに…
うんうん唸っていると、コンコン、と部屋のドアがノックされる音がした。
こんな時間に誰だろうと思いながらもドアを開けると、そこにいたのはリヴァイさんだった。