第2章 “エース”を連れ戻せ
「あ―――――――ッ!!影山ずりぃぃぃいいいいいいい!!何カレーまん食ってるんだよ―――――――ッ!!」
「げっ・・・」
もしゃもしゃと肉まんを頬張りながら日向が突進してきた。
「一人だけ食ってんじゃねぇよ!!ていうかキャプテン達に買ってもらったじゃねぇかよ!!」
「うっせーカレーまんも食いたかったんだよ!!」
食べ物闘争が激しいなこの二人は。もすもすとカレーまんを咀嚼しながら二人の闘争劇を眺める。まだまだ元気だなー。
「うんうん!食べ盛りなのは良い事だな大地!」
「おうっ!たくさん食べて強くなってもらわなきゃな!」
会話が夫婦過ぎて癒されるんですが。もう二人からマイナスイオン放出されてるよ。その夫婦二人が見守る先では、日向と影山さんがやいやいと言い合いが続いてる。
「大体それ以上デカくなってどうなるつもりだよ!!大気圏でも突き抜ける気か、って、瀬戸までカレーまん食べてんじゃん!!」
「えっ、あ、うん。影山さんに分けてもらって・・・」
急に会話の矛先が向けられて動揺する。ていうか気付くの遅いな日向。私てっきり知っててスルーしてるのかと思ってたわ。
「えええええええええええ!!影山お前いつの間にそういう
やつになったんだよ熱でもあるんじゃないか?!」
「うるせぇ日向ボケェ!!どういう目で俺を見てたんだよ!!」
カレーまん 分けただけで この騒ぎ by影山 飛雄
お、良い俳句出来たー。この二人はどんな事でも大騒動になるんだろうな。田中先輩と西谷先輩なんて、
「良いぞー翔陽やったれやったれー!!」
「影山も言い返したれーい!!」
なんて野次飛ばしてるし。西谷先輩と田中先輩、日向と影山さんも相性抜群だなおい。うむうむ、良い事だ。元気に遊び回る孫を見るおじいちゃんおばあちゃんの様な温かい眼差しを向けていると、不意に悪寒と寒気が背中を這う。
いる・・・!間違いなく暗黒オーラ使いである彼が・・・!