第2章 “エース”を連れ戻せ
「すみません!遅くなりました!!」
「遅れてすみませんッ」
「あっ!!瀬戸!菅原さん!!聞いて聞いて!!さっき西谷さんがローリングサンダーやっててすっごいカッコよかったあああああああ!!」
「ロ、ローリングサンダー・・・・?」
スガ先輩と共に体育館に足を踏み入れると、日向から開口一番に謎に包まれた西谷先輩の技について怒涛の勢いでざっくりとし過ぎた説明されてしまい戸惑ってしまう。でもそのローリングサンダー凄い気になる。
「めっちゃカッコいいんだよローリングサンダー!!」
「そ、そうなの?どんななのそれ?」
「こう、グルグル~~~~って!」
そう言いながら日向は両腕を身体の前で交差させてグルグルと勢い良く回転させる。
うん・・・・なるほどわからん・・・・。
日向の嬉しそうな気持ちだけは伝わってくるよ(菩薩顔)
「西谷さんにもっかいやってもらおー!!瀬戸と菅原さんも一緒に見よう!!」
「うん。私も西谷先輩のレシーブ見たいな」
「俺もそのローリングサンダー見たいなあ」
スガ先輩は微笑ましそうに頬を緩ませる。スガ先輩は将来育メンになるだろうな。いやむしろお母さんよりお母さんになりそう。
「おっ!瀬戸とスガさんちはっーッス!!
どうしたんスか二人揃って遅れるなんて~~」
田中先輩がととっと近付いてくる。その顔には疑問符が張り付いている。おっとー気になられてるぞー・・・・・。
「ん~~ちょっと色々あったんだよ。な?」
「えっ、と・・・・そうですね」
言えない。東峰先輩に戻ってきて欲しくて頭下げて参りましたテヘぺロりんこなんて言えない・・・・。
「えぇっ?!色々?!色々何なんスかちょっと!!」
「スガ・・・・詳しく説明してもらおうか・・・・?」
「だ、大地っ!!!??」
何時の間にかスガ先輩の背後には暗黒微笑を浮かべた主将が仁王立ちしていた。田中先輩と主将がタッグを組んで訊問を開始しようとし始めた。が、ここで日向が意図せぬ形で助け舟を出してくれた。
「ノヤさんローリングサンダアアアアアア!!」
「あっ!!西谷俺も!!俺も見たいッ!!」
「わわ私も見たいですッ!」
「お、おうっ!?スガさんと瀬戸も?!」
西谷先輩は意外だったのか驚いた様に肩をビクリとさせる。
見たいのは本当なので許してください。