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【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第2章 “エース”を連れ戻せ


その後も、ほつほつとスガ先輩と言葉を交わしながら東峰先輩を待った。私の緊張を含んだ言葉の一つ一つに、スガ先輩は笑顔を称えながら向き合ってくれた。私はそれが凄く嬉しくて仕方なかった。

しばらく話していると、不意にスガ先輩が時計に目をやる。
「旭そろそろ戻ってくる頃じゃないか?」
「そうですね、進路指導そんなに長くない筈ですし…」
「廊下見てみるか」
「はい」
先輩は四つん這いになり扉に近付いて少し開く。


戸の隙間から覗く廊下の景色はどことなく新鮮味を帯びていた。廊下の人通りは、この教室に入る前より少数になっていた。
「旭はいないな…」
「まだなんですかね?」
「どうかなぁ~~もう戻ってんのかな、う~ん…」
スガ先輩は小さく唸る。私は東峰先輩の姿を見たことが無い為、スガ先輩に見つけて貰う他ないのだ。私は顎に手を添える。もうすでに東峰先輩は教室に戻っていたとしたら、一度3組に確認行く必要がある。スガ先輩にその提案を伝えようと口を開いた瞬間、






「旭ッ!!」






そうスガ先輩が叫ぶと同時に、スガ先輩は空き教室の扉を勢い良く開く。扉の鋭い音一瞬肩が上がった。
「わっ!!! ス、スガ?!何でここに!!」
「旭!もう進路指導終わったんだな?!」
「え、あ、あぁ。終わったけど・・・」
スガ先輩の背により、スガ先輩と対峙しているであろう東峰先輩の姿が上手く目視出来ない。だが、その大人びた声音は、どこか落ち着きを持っている。
「なら、俺と、この子から話があるんだ。時間、良いか?」
「えっ?」
スガ先輩はスッと身を引き、私の背を軽く押す。烏野のエースとの対面だ。






さあ、始まるぞ。






緊張で五月蝿い鼓動が煩わしい。身体の前で重ねた手が少し汗ばむ。だが緊張なぞに屈してはならない。私は目の前の彼を連れ戻す為に来たのだから。彼の前に進み出るとゆっくりと腰を折り、顔を上げる。









「初めまして、新入部員でマネージャーをやらせてもらっています。瀬戸伊鶴です。




―――――――あなたを、連れ戻しに来ました」



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