第2章 “エース”を連れ戻せ
「あっ、先輩!」
「ん、あっ!瀬戸!どうしたんだこんな所で!何か用とかか?」
スガ先輩は私に気付くと、小走りで駆け寄ってくれた。何か凄く心細かったからスガ先輩の優しさが+αで染み渡る。ヤバイ何この異様たる安心感泣きそう。
「い、いえ。その…」
「もしかして、旭に会いに来たのか?」
「!」
「やっぱそうか・・・・」
「どうしてです?」
スガ先輩は後頭部をガシガシと掻いて笑うと、息を吐いた。
「いや~~、な?さっき日向と影山が来て、さっき旭と話してたからさ。もしかしたら瀬戸もそうなのかと思って」
「そ、そうだったんですか…」
そうか。日向や影山さんが黙って東峰先輩の帰還を待つだけなのは無さそうだもんな。
「まぁ、それもあるけど、昨日の瀬戸の様子が変だったのもあるんだ」
「えっ?私変でしたか?!」
「あ、いやいや!変っていうか、考え込んでるみたいだったから!瀬戸、『私が』って呟いたきり黙りこんじゃったからさ、もしかしたら旭の事で何か考えてるのかなと思って」
「そういえばそんな事しましたね、私・・・」
そんな妙な事してれば何かしでかすかもって考えますよね。今後気をつけねば…。