• テキストサイズ

【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第8章 こんな夜じゃなきゃ


『まぁなんだ、お前も溜め込み過ぎんなよ。そんなんじゃいつか窒息すんぞ?』

「別に、何も溜め込んでなんかいませんよ」

『ふ〜ん、なら良いけどよ。なんかありゃ話くらいは聞かせてくれよな?』


たまには センパイ面くらいさせてくれや。
そう話す黒尾さんの声と言葉は、何よりも優しかった。
見透かされているのに、不思議と嫌な気分がしない。つっかえていた何かを外してくれたように、ストンと心に落ちるものがあった。


「黒尾さん」

『どうした?』



本当に化かされているのか、なんて馬鹿なことを考えてしまう。



「 ごめんなさい。本当は、明日がとても不安なんです」

『…それはどうしてか分かるか?』

「…よく、分かりません。ぐちゃぐちゃで」

『じゃあ、1つずつ話してみろよ。きっと整理が着くはずだ』





───こんなにも自然と言葉を吐き出せるのは、きっとこんな夜だからかもしれない。





“コートに立つのは私ではないのに、何故か無性に恐ろしいこと。” “明日自分がみんなに何が出来るのか。”
ぽつぽつと拙い言葉で紡ぐ話を、黒尾さんは 黙って聞いてくれた。

全てを吐き出す頃には、重しが降りたように心は身軽になっていた。


『もう良いのか?まだあれば話して良いんだぞ?』

「はい、もう大丈夫です。ありがとうございました」

『そうか。なら良いけどよ』


黒尾さんと通話を始めてから、軽く1時間弱は経過していた。彼も大事な試合が控えている。これ以上引き止めては申し訳が立たない。


「長々と話してしまって、すみませんでした」

『いやいや、電話したのは俺だし。こっちこそすまんかったな』

/ 440ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp