第7章 おかしな烏野高校排球部
「え〜〜ごっめ〜〜んッ!伊鶴ちゃんと一緒に部活してる皆さんだったら?とっくにお茶くらいしてるかと思ってぇ〜?自慢するまでもないかと思ってたんだけど〜〜!」
「う、うざぁ…」
月島さんがそのウザさ加減に半ば感服するかとのように呟いた。凄い…この世の“うざい”を一心に込めたような一言だ。
───スパァンッ!「うッッッッぜぇよウザ川」
そして先程 “岩泉”と呼ばれていた人により平手制裁が下され、及川さんの後頭部が思い切り 叩(はた)かれる。頭が清々しく飛ばされそうな音がして 首がヒュッとなった。タマヒュンならぬ首ヒュンだ。
「もー痛いなー。岩ちゃん容赦なーい」
「うっせ。遊んでないでさっさと用件済ませろよ。…烏野マネの、その子に用があんだろ」
岩泉さんから来訪の目的を告げられ目を丸くする。及川さんはあたかも今思い出したかのような表情し、手を叩く。
「そーそー伊鶴ちゃんに用があるんだよ!あの日のことで、やって来たんだ」
「あの日の……?」
“あの日のこと”の部分の台詞を、彼はわざとらしく溜めて話す。どこか芝居めいた表情と動作、そして以前会った時とは随分違う雰囲気と性格に調子を狂わされる。
わざとらしい台詞回しや、雰囲気が違うのは何か理由があるのだろうか。
「あ、あのっ!!」
声の方を振り向くと、そこには渋い顔している影山さんがいた。倒れた後の影響か 、顔色が優れない様子だ。
対する及川さんの笑みがヒヤリとした冷たさを纏う。突然の豹変に思わず背筋が伸びる。
「なぁんの用?“トビオちゃん”」
「そっちこそなんなんスか、及川さん」