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【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第2章 “エース”を連れ戻せ


「……ハイ」
日向は小さく頷いた。

日向はその言葉をどう受け取ったかは分からない。でも、いつか必ず分かる。必ず“囮”という異名を誇れる時が来る。必ず。


「まあ俺お前の出てる試合見てねぇし!その“囮”がショボかったら意味無ぇけどなッ!」
わはははと豪快に笑い、日向の身体をバシバシと叩いてシリアスムードを心地良いくらいに壊す。さすが先輩。さっきのクールな西谷先輩どこ行った。
まあ、この先輩もカッコイイので良いか。と息を吐いた時、日向がこちらを見ている事に気付いた。

「日向、どうかした?」
「へっ?!あ、ああ!ゴメン見てたりして!」
「ああううんッ、気にしないで。何か用でしょ?」
「う、んと…用、っていうか……」
言葉を濁し、日向は俯いた。日向の顔に濃い影が生まれる。日向は自身の両手に持つボールを食い入る様に見詰める。私は静かに日向の言葉を待つ。
「瀬戸はさ、“囮”ってどう思う?」
「え?」
「やっぱ、何か変、って思う…?」
日向は顔を上げ私を見詰める。日向の目はどこか揺らいでいる。やはりさっきのさっきでは、一度抱いた劣等感は拭えないのだろう。私は、静かに言葉を返す。














「カッコいいよ、すっごく」


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