• テキストサイズ

【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第7章 おかしな烏野高校排球部


※ ※


「わざわざすみません、途中までで良かったのに…」


店を出て、徒歩で数十分以上の所に瀬戸ちゃんの家はあった。家の明かりは煌々と灯っており、家族が彼女の帰りを待っているのだろう。

「何言ってるの、夜に一人で帰るなんて危ないんだから当然でしょ!それに、女の子を送るのは男の役目だしね!」

軽くおどけてみせると、瀬戸ちゃんはクスクスと小鳥の様に笑った。


まただ。


胸の辺りがじんわりと締め付けられるのと同時に、温かいものが染み渡っていく。その“温かいもの”の実態は不透明で曖昧だが、その笑顔をずっと見ていたいという思いだけは確かな事だった。

瀬戸ちゃんは少し俯くと、空いている片手で髪を耳に掛けた。



「今日は、本当にありがとうございました。それじゃあ、私はこれで…」



鞄を籠に乗せた重い自転車を引き、彼女は自宅の玄関へと向かい始めた。歩く彼女に合わせて揺れる後ろ髪に何故か────無性に惹かれたのだ。
















「ま、待って!!」













気付けば勝手に喉から声が飛び出していた。





自分でも分からなかった。分からなかった。でも、彼女を、瀬戸ちゃんを引き留めなければならないような気がした。




/ 440ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp