第7章 おかしな烏野高校排球部
瀬戸ちゃんと共に席を立つと、二人でレジへと向かう。疲れた顔してレジを打つ店員の前には、既に2人程並んでいた。
「瀬戸ちゃん、先にお店出て待っててよ」
「で、でも及川さん。やっぱり私もお金、」
「いやいや!付き合わせちゃったの俺だしさ、良いよ良いよ!」
そう話すも、瀬戸ちゃんは申し訳無さそうに目をさ迷わせる。
今回お茶に誘ったのは俺個人の勝手な行動であり、彼女へのお礼の為だ。そんな顔をさせるつもりは無かったのに、何だかこちらが申し訳無くなってしまう。
「これはお礼だからさ。ね?」
俺は彼女を安心させる為に、もう一度微笑むと、瀬戸ちゃんは頭を下げ、店を後にした。
逸る気持ちを抑え、急いで会計を済ませると店員の声を背に店を出る。
外は既に暗闇に包まれていた。
建物の灯りや、街燈、そして生き急ぐように走る車のヘッドライトが外を照らしていた。頼りない灯りの中、彼女の姿を探す。
「瀬戸ちゃん?」
辺りを見回しても、外に出て待っている筈の彼女の姿が見当たらない。どこに行ったのか。焦りと共に動悸が高まる。
「瀬戸ちゃん?! 瀬戸ちゃん!!」
みっともなく声を上げて探し始めた。駐車場を突っ切って歩道へ出る。左右を見渡しても人影は一つも見当たらない。